読んでみた

笑って、泣いて、考えて。 永六輔の尽きない話

さだまさし著/1000円+税/小学館(03・5281・3555)

 昨年(2016年)7月に亡くなった永六輔と親交のあった歌手さだまさしが彼の亡くなる前に「最初で最後」の対談としてまとめたもの 。パーキンソン病など闘病中の永の体調を考慮して、「話し疲れるまで」という条件で、とりとめなく聞いた話が、期せずして「永六輔という人だけが持っている知識や知見、ものづくりのノウハウといった『財産』」として世に公開される形となった。

 エピソード満載。リハビリの「先輩」長嶋茂雄からもらった色紙には「リハビリは裏切らない」と書かれ、「それを見ながら励んでいる」と、さだに告白し「あなたと話しているのもリハビリのつもり」と。2020年のパラリンピックに車椅子ダンスが正式種目になれば出たいと語るなど常に好奇心旺盛だった姿が浮かび上がる。幅広い交友録も圧巻。