読んでみた

認知症介護の悩み 引き出し52

認知症の人と家族の会編/クリエイツかもがわ/2000円+税

 「要介護認定を拒否される」「育児と介護の両立は可能か」ーー。「認知症の人と家族の会」が会員らの交流の場として設けている「つどい」で相談を受けた介護の悩み事52事例について、多職種の人がいろいろな角度から応じた回答例を紹介。相談者のその後の対応なども記している。

 「つどい」は同会が1980年の設立時から続けている。介護家族らからのさまざまな相談に対し、介護経験者や医療福祉の専門家だけでなく、認知症の人本人も応じてきた。「昼夜問わない父親からの頻回電話が恐怖」という娘の相談には、介護経験者が「留守電機能の活用」をアドバイス。ケアマネジャーはサービス担当者会議で原因を探るよう伝え、施設職員は「あなたから都合のいい時に電話を」と促した。相談者は「つどいで父も不安なのだと教わった」と言い、その後、不安を感じないよう父親に日中行事への参加を増やしてもらったことで電話も減ったという。