読んでみた

脳と身体を最適化せよ! 「明晰な頭脳」「疲れない肉体」「不老長寿」を実現する科学的健康法

モリー・マルーフ著、矢島麻里子訳/ダイヤモンド社/税込み2200円

 米スタンフォード大学で「健康寿命」の講義を担当した医学博士の著者が、最先端の科学的健康法を紹介するベストセラー。

 脳と体にダメージを与えるストレスからの回復を重視しており、それには瞑想(めいそう)を毎日実践することだという。また、ヨガ、気功、太極拳といった瞑想的運動は副交感神経の働きを高め、深いリラックス状態を引き出し、認知機能にも好影響を与えると指摘する。

 脳を含めた老化防止には強度の運動を勧める。運動は死んだ細胞や損傷したミトコンドリアを除去し、新たな細胞のためのスペースを作るという。脳由来の神経栄養因子が放出されて認知力を高めるといい、人生の分かれ道は「筋トレ」で決まる、と論じる。v

 腸と脳の相関関係はよく知られている。腸内の有用微生物の種類を増やすことが重要と説明し、最良の方法の一つとして、食品の種類を増やすことを挙げる。さまざまな旬の果物や野菜、複数の動物性、植物性たんぱく源の組み合わせを心がけること、善玉菌が餌とする食物繊維を得るため、野菜、果物に加えてナッツを食べることを推奨している。

 このほか、「スマホ中毒と孤独からの脱出」なども訴えている。