藤田和子著(聴き手 島村八重子)/メディア・ケアプラス/税込み1870円
認知症になっても希望を持って自分らしく暮らし続けることができるーー。政府の認知症施策推進基本計画に盛り込まれた「新しい認知症観」だ。著者は「なりたくない」ではなく「なったらどうしたいか」という、自分が認知症になることを起点とした考え方を広めたいと思ったという。
2007年、若年性アルツハイマー病と診断された時は絶望に襲われた。それでも仲間の前で泣きながら診断を受けた不安な気持ちを口にすることができ、「周囲の人に伝えることができる環境」の大切さに気づいたという。それには「認知症になったら終わり」といった偏見をなくすことが必要だ。その思いが「日本認知症本人ワーキンググループ」(JDWG)の発足や代表(現相談役)就任につながった。
本人視点や参画の大切さ、「普通の毎日」を諦めないというJDWGの考えや活動は「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」や、「新しい認知症観」など国の方針にも大きな影響を与えた。著者は「認知症とともに自分なりに生きることは可能だと今の私は確信に近いものを感じています」と語っている。