工藤広伸著/翔泳社/税込み1848円
40歳から13年以上、東京・岩手間の遠距離介護を実践する著者による、「介護を始める前に知りたかった」73のヒント集。遠距離介護こそ親の自立とあなたの生活を守る、とうたう。
「遠距離介護=介護施設」と決めつけるのはよくないという。施設にかかる月額は平均13・8万円、介護の期間は同4年7カ月で、総額759万円に達する。親の意向や資産、介護がいつまで続くかも分からない。そんな段階であればまずは在宅介護から始め、少しずつ情報を得てから入所を検討すべきだと指摘している。
親の見守り方などの紹介も豊富。「ひとり歩き」の気配を感じたら、本人の特徴や写真を「認知症SOSネットワーク」に登録することを勧めている。認知症の人は何らかの目的があって移動することも多く、以前の勤務先や引っ越す前の家など生活歴を把握しておくのも早期発見に重要という。また大音量でテレビを見続けると難聴が悪化し認知症のリスクが高まる。テレビの字幕表示をオンにするなど、生活上気をつけるべきことも列挙されている。
介護疲れやストレスは介護虐待要因の1位だ。自分が倒れたら親子共倒れになる。滞在を1日増やして心に余裕を持たせるだけで状況は変わるという。「工藤さんの家の場合」として自らの遠距離介護例もふんだんで、必要なところだけ読むということも可能だ。