明日の記憶

荻原浩著、1500円+税(光文社)

 56年生まれの作家が若年性アルツハイマーをテーマに書いた小説。主人公は、広告代理店に勤務する50歳の営業部長。書き出しは、「『誰だっけ。ほら、あの人』 最近、こんなせりふが多くなった。 『俳優だよ。あれに出てた。外国の俳優だ』 代名詞ばかりで、固有名詞が出てこない」。仕事上の約束も忘れる。不安。妻が言う。「ねえ、思いきって病院へ行ってみない。ほら、ここに書いてある、正しい診察を受けることが大切だって」。後は本書で。昨年、「小説宝石」に連載された。

2005年 財団報「新時代 New Way of Life」より