読んでみた

痴呆の哲学

大井玄著、1800円+税(弘文堂)

 医学博士で東京大学名誉教授の著者は、35年生まれ。国際保健、地域医療、終末期医療にかかわってきた。「かつて痴呆に成ることが抑えようもなく怖かった時分がある」「年月を経た今、かつての恐怖感が消滅してしまっている」「わたしの痴呆についての認識の変化を知ってもらうのも無駄ではあるまい。その変化は痴呆老人の観察と共に生じたものだからだ」と「はじめに」で書く。副題に「‥‥ぼけるのが怖い人のために」とある。

2005年 財団報「新時代 New Way of Life」より