認知症はタイムマシーン

中田 京子著、1800円+税(VOICE)

 脳機能の一部が失われ、記憶、判断、言語、感情などの精神機能が減退する認知症。その壮絶さと悲惨さから一番なりたくない病気とさえいわれる。しかし、認知症の患者さんの行動や心にこそ、人生のテーマや本質が見え隠れする。認知症専門病棟で20数年間、心理セラピストとして認知症の人たちと接してきた著者には、その人たちの心は時間を超えて自由に過去を旅するタイムマシーンのように思える。人生で最も輝いていた時代にタイムスリップし、人生を再び生き直す魂のプロセスだ。病棟で著者が触れた生き様は、「生きるとは何か」「人生とは何であるか」を私たちに問うている。

2007年 財団報「新時代 New Way of Life」より