読んでみた

「老い」に備える

中山二基子著、524円+税(文藝春秋)

 老いは誰にも等しくやってくる。年をとると、若いころには予測もしなかったトラブルが起きやすい。例えば、2世帯住宅。子どもと同居すれば、自分に介護が必要になっても不安はなくなるし、可愛い孫との楽しい老後も送れるはずと考えがちだ。しかし、実際はどうだろう。相続やローンをめぐる問題、嫁姑との人間関係、親の介護などやっかいな問題が発生しやすい。そんなトラブルに巻き込まれないためにも、実際に起きているさまざまな事例を知り、トラブルが起きない賢い生き方を選択することが大事。著者は高齢者の財産管理、成年後見制度、親族・相続問題などが専門の弁護士。本書は05年から新聞に連載したコラムの中から54の事例を選び、大幅に加筆したもの。「備えあれば憂いなし」。本書の事例を参考に、老いに備えるのも一つの方法だ。

2008年 財団報「新時代 New Way of Life」より