アルツハイマー病に克つ

田平 武著780円+税(朝日新聞出版)

 高齢社会の進展で65歳以上の高齢者は22%を超えた。これに伴って認知症高齢者は現在、約200万人ともいわれ、2035年には445万人との推計もある。認知症は、世界の医療関係者が治療方法などについて精力的に研究を重ねているが、いまだに克服にいたっていない病だ。しかし、認知症の半数以上を占めるアルツハイマー病の発病メカニズムも解明が進み、根本的予防・治療法として「ワクチン療法」の開発が進んでいる。著者は、認知症予防・治療研究の第一人者で、アルツハイマー病の原因物質アミロイドを脳から取り除くワクチンの開発を進めていた国立長寿医療センターと名古屋大学などのチームの中心メンバー。著者らは、このワクチンを1回のむだけで著しい効果を示すことをマウス実験で明らかにした。その後の研究も含め、ワクチン療法開発の現状と問題点などについて解説したのが本書である。

財団報「新時代 New Way of Life」58号より