読んでみた

おとこの老後

米山公啓著 1000円+税 集英社

 「ぼけ」「うつ」「メタボ」「ひきこもり」--男の老後は、どことなくわびしさが漂う。現役時代、会社のために身をささげた「会社人間」がひとたび定年を迎えると、急に元気がなくなるのはなぜだろうか。それにひきかえ、女性のなんと明るく元気なこと。オシャレを楽しみ、友達とおしゃべり、旅行、ボランティア……と実に元気がいい。男は女性に比べなぜ老い方がへたなのだろうか。老化はだれにも等しくやってくる。しかし、始まる時期やそのあらわれ方には個人差がある。「老化知らずは病気知らず」。老化の兆しこそカラダと心を見直すチャンスでもある。著者は、都内で診療を続ける傍ら、医学関係やエッセーなどの著作活動を続ける現役医師。豊富な実例をもとに、老後の心と体の健康づくりを分かりやすく教える。男性よ、テレビの前から腰をあげて、さあ街へ出よう。

財団報「新時代 New Way of Life」60号より