読んでみた

こうして乗り切る、切り抜ける 認知症ケア 家族とプロの介護者による究極の知恵袋

朝田 隆、吉岡 充、木之下 徹 編著/1700円+税/新興医学出版社

 本の副題にあるように、認知症の介護家族やベテラン介護者、専門病院スタッフという三つの異なる立場の人が集まり2年半かけて編集した。みんなが困っていることをどうやって切り抜けているのか、その具体例を時にユーモアを交え分かりやすく解説している。  大部分がQ&A方式で書かれ、回答も1問に複数用意されている。たとえば「用意した食事の一部しか手をつけない」という相談には、「一つの丼にご飯とおかず類を入れれば完食できる」という似た悩みを持つ家族からの答えのほかに、病院関係者からは「少量ずつ盛った小皿を順番に出す」「お弁当箱に盛り付ける」など様々なアドバイスが寄せられている。  家族やケアスタッフ、行政の担当者にも読んでほしい内容だ。

財団報「新時代 New Way of Life」61号より