認知症の人の歴史を学びませんか

宮崎和加子著・田邊順一写真・文/2000円+税/中央法規

 著者が所属する社会福祉法人のグループホームにイギリスの役所幹部と大学教授が視察に来た。自分たちで献立を考え調理する認知症の人の元気の良さと生きた表情に驚かされる。質問攻めの果てに「日本の認知症ケア・支援の一つの到達点」と著者は答える。

 同書は、ここに至るまで閉じ込められ、しばられて悲惨な目にあってきた認知症の人の歴史と、それを誰がどのように変えてきたかをまとめた本だ。

 看護師の著者自身、さまざまな体験を通じて、認知症の人に対する見方や支援のあり方を根本から変えざるを得なかった。そんな自らの思いを織り交ぜながら、認知症の人に寄り添い、焦点をあてた貴重な歴史本になっている。  田邊順一さんの写真に写る認知症の人たちが無言で訴えている。

2011年3月 財団報「新時代 New Way of Life」66号より