認知症と長寿社会 笑顔のままで

信濃毎日新聞取材班著/760円+税/講談社

 本書は新聞協会賞など4賞を受賞した信濃毎日新聞の長期連載「笑顔のままで 認知症-長寿社会」をまとめたものだ。

 連載当初から話題を呼んだのは認知症の人や抱える家族が実名で出ていることだ。第一話に登場する坂口さんは「差別があるのなら、闘わなくてはいけない」と実名報道に同意した。また認知症を患う坂口さんの妻が日記に「私はこうして順にダメになっていくのだろうか。(中略)何だか異なる社会をふわふわと歩いているようでおかしい!と自分でもあせった」と不安や孤独を抱える心のうちをつづっているのも胸をうつ。

 取材対象は認知症の人や家族、施設、病院と広がり、課題も報告されるが、認知症の勉強を始める町会や、家族と連携し正月の一時帰宅を試みたグループホームなど新しい動きも紹介している。

2011年3月 財団報「新時代 New Way of Life」66号より