三宅貴夫著/1800円+税/メディカ出版
「認知症の人と家族の会」の創立メンバーである著者が、専門医の立場から認知症の最新情報を取り入れ、オールカラーのイラストや図表をふんだんに使って、分かりやすく正確に解説している。
「特効薬はいつできるか」など「知りたいこと」「分からないこと」「最新情報」という読者が最も知りたい項目を一つ一つ丁寧に紹介。「お金を盗まれた」「食べさせてくれない」と言ったり徘徊する周辺症状(随伴症状)についても、背景となる原因まで触れており、介護に悩む家族等には欠かせない情報だ。
最近、目に触れることの多いパーソン・センタード・ケアについても、「認知症の人がケアの主人公」とし、「できないことでなく、できることに注目する」「介護者の思いや考え方を強制しない」と紹介。介護職やケアマネージャーの人にもお勧めの一冊となっている。
2011年6月 財団報「新時代 New Way of Life」68号より