認知症は手術で治る

桑名信匡著/1200円+税/主婦の友社

 書名を見て驚く方もおられるだろう。認知症はまだ根治しないはずと。そう、この本が紹介しているのはアルツハイマー病ではなく認知症患者の10人に一人といわれる特発性正常圧水頭症である。

 この病気は脳内に髄液がたまり、脳を圧迫して歩行障害や認知障害、尿失禁を起こす。他の認知症と異なるのは、手術で治る確率が高いこと。髄液シャント術と呼ばれる手術で脳の外に髄液を出すことで症状の改善を図る。脳室から腹腔、心房と、腰椎から腹腔に流す3つの方法があり、最近は脳に管を入れないL-Pシャントと呼ぶ3番目の手術法が30分ですむため徐々に比率を高めている。

 近年、この病気への関心は高まりつつあるが、すべての医師に浸透しているとはいいがたく、東京共済病院院長の著者は専門医への受診を勧めている。巻末の病院リストが参考になる。

2011年 財団報「新時代 New Way of Life」より