読んでみた

認知症は怖くない18のワケ

浦上克哉著/1905円+税/JAF MATE社

 認知症を理解し、早期発見、早期治療を呼びかけているのは今回紹介のすべての本に共通するが、鳥取大学教授の著者は昨年、日本認知症予防学会を設立し、認知症に携わる多くの職種の連携を提唱して「認知症予防専門士」の資格制度設置を計画するなど行動派でもある。

 本書で特に興味深いのは高齢者ドライバーと認知症に関する記述が多いこと。高速道路を逆走する事件は記憶に新しいが、推定では65歳以上の高齢者ドライバー1200万人のうち30万人が認知症とのデータもある。免許証返納を勧めることは本人のプライドがあるほか、地方では〝生活の足〟となっており、簡単ではない。

 認知症を疑う事例として、車庫入れがうまくできなくなったり、車の鍵の置き場所を忘れる、目的地までのルートを思い出せない、右折左折を間違えてウインカーを出すなどを紹介している。