ペコロスの母に会いに行く

岡野雄一著/1200円+税/西日本新聞社

 「ペコロス」とは小さなタマネギを指し、著者の愛称でもある。漫画家でシンガー・ソングライターの著者が、認知症になった母を介護する中で見聞きした出来事をユーモアあふれるタッチで描いた作品。

 最初は自宅で介護していたが、現在はグループホームに暮らす。過去と現在を往還し、少女から新妻、そして親に七変化する母の笑顔やつぶやきは、人生の切なさや温かみを感じさせる。坂や造船所など長崎ならではの背景も織り込まれ、昭和を思い出す人もいるだろう。

 自費出版した原作本がネットのフェイスブックで話題になり、森崎東監督の手による映画化も決まっている。岩松了、竹中直人、加瀬亮らが出演し、公開は来年秋の予定。