無縁介護

山口道宏編著/1600円+税/現代書館

 副題に「単身高齢社会の老い・孤立・貧困」とあるように、社会の変化で公的な福祉サービスにたどり着けない無縁介護の状態が無縁死につながりやすいと説く。その実例を介護の現場に詳しい複数の執筆陣が生々しく紹介する。

 浮かび上がるのは血縁、地縁、社縁に頼れなくなったこれからの時代は自助、公助、共助の仕組みが重要とし、その方策を現場から提案する。

 中でも「ひとりで生きるために、単身者の生活権を検証する会」(単身けん)事務局長の石川由紀さんは人の集まりに積極的に出ていき世話好きな助っ人を上手に見つけることを勧める。「老いの自立とは、できなくなっていくことを一つずつ他者に委ねていくこと」。人に施したことが巡って来ると思えば「円助」かもしれない。