介護家族を支える電話相談ハンドブック〜家族のこころの声を聴く60の相談事例

角田とよ子著/2000円+税/中央法規

 よく、電話相談員の心得は傾聴に徹することと言われる。それは著者の言う「相手の話に耳をすます」ことであり、相談者を自分の土俵に引きずり込まず、相手と同じ景色が見えるよう「相手の土俵にそっと入っていくこと」である。社会福祉法人浴風会「介護支え合い電話相談室」室長でもある著者は、この考えに沿って60の相談事例をまとめている。

 「認知症の父に運転をやめさせたい」「一人暮らしの父を施設に入れたほうがよいか」などさまざまな相談が紹介されているが、母への胃ろうを医師から勧められ、兄弟で意見が分かれ悩む娘からの相談には①迷っていることを整理する手助けをする②退院後に特養が受け入れ可能かどうかなど事前確認が必要と情報提供する③迷いに迷って決めたことは最良の判断とエールを送る−−と受け手側の対応方法も紹介し、専門職にも役立つ内容になっている。