アルツハイマー病が劇的に改善した!

メアリー・T・ニューポート著/1400円+税/ソフトバンククリエイティブ

 タイトルは刺激的だが、読み進めて行くとアメリカの小児科医である著者が、若年性アルツハイマー病の進行した夫を冷静に見つめ、かつ情熱的に介護し、まだまだ未解明な部分の多い認知症の今後の治療法に期待をかけたくなる貴重なリポートとなっている。
 感心するのは夫の変化をよく記憶していることである。その観察力は新薬の開発治験に参加する過程でもいかんなく発揮され、自身で調べた研究記録からココナツオイルによる食事療法にたどり着く。その展開はまるで探偵小説を読んでいるようにスリリングだ。ココナツオイルをオートミールなどに入れて食することで、栄養不足の脳にブドウ糖に代わってケトン体と呼ぶエネルギーが届けられ、その効果で脳の健康が維持されるという。
 夫の症状が劇的に改善されたと感じた彼女のレポートは大きな反響を呼び、それを読んで試した人たちからの報告も紹介されている。現時点ではアルツハイマーの進行を一時的に遅らせる薬しかないという考え方が主流の学会だが、この方面の研究も待たれる。