迫りくる「息子介護」の時代

平山亮著・上野千鶴子解説/880円+税/光文社新書(03・5395・8113)

 主に息子から介護を受けている人の割合は国内で12%という。本書は28人の息子介護者から聞き取りを行い、どんな思いを抱きながら周囲の人と関わり、家事や介護を続け、自身の仕事と折り合いをつけようとしているかを紹介している。

 浮かび上がるのは夫と妻のズレや兄弟姉妹との“確執”、職場で弱音を吐けないなど“男社会の息苦しさ”だ。その意味で本書は親の介護を素材にした男性学と言える。

 ほぼ未知の分野に切り込んだ著者は、息子介護者が母親の同性の友人・知人たちのネットワークから支援の手やノウハウを得ているという意外な事実を掘り当てる。しかし、この“資源”もいつか枯渇するかもしれない。来るべき「息子介護」時代への一書。