介護はつらいよ

大島一洋著/1400円+税/小学館(03・5281・3555)

 出版社の編集者だった著者が定年後に岐阜県の実家に戻り認知症の母とガンコな父を一人で世話した7年間の記録だ。

 介護と言えば女手が普通だった時代は徐々に変わりつつあり、著者も家族と離れ単身東京から移り住んだ。慣れない炊事、洗濯、掃除に加え、夜も両親の世話で安眠できない生活が続く。ストレスを溜めなかったのは岐阜の山中でもフリーの編集者、ライターの仕事ができる環境が今はあること、そしてかつての同級生との交流、スナック通い、何より四十数年ぶりに両親と暮らすという自身の歩みを見つめ直す場を得られたことが大きかったようだ。

 本の元になった大学ノートは19冊となった。母はすでに亡くなり、残された100歳の父より71歳の自分は先には死ねない。それを支えに今日もノートを書きつづける。