読んでみた

かかりつけ医のための認知症マニュアル

日本医師会編、西島英利監修、瀬戸裕司・遠藤英俊・池田学著/1000円+税/社会保険研究所(03・3252・7901)

 2025年に約700万人の人が認知症になると予測されている日本。住み慣れた地域で暮らしていける社会を実現するためには、地域の医療を守るかかりつけ医の力に負うところが大きい。

 本書はそんなかかりつけ医の認知症への対応能力を高めるためにまとめられたものだ。

 患者の変化にいち早く気付くことで早期対応につなげるポイントをはじめ、認知症かどうかを診断する基準、家族への支援方法、専門医へつなげる手順、介護・福祉サービスと連携することで得られる患者のメリットなど、具体的な流れを分かりやすくまとめている。

 要介護認定の際に重視される主治医意見書には記載が不十分なものやポイントを理解していないと指摘されるものもあり、巻末に記載例や特記すべき事項がまとめられていて、医師だけでなく介護家族にも参考になる。