おひとりさまの最期

上野千鶴子著/1400円+税/朝日新聞出版(03・5540・7793)

 「おひとりさまの老後」でシングル女性の老いを明快に分析して見せた著者による人の死に方(生き方)の提案だ。

 長生きすれば性別や結婚の有無にかかわらず、人は独居高齢者、つまり「おひとりさま」になると言う。そして訪問医療、訪問看護、訪問介護の三つがそろえば、病院や施設ではなく自宅で最期を迎えることは可能だと説く。

 舌鋒(ぜっぽう)鋭い社会学者の手になると深刻な問題も明るく前向きに考えられるから不思議だ。

 著者は苦手だったという認知症ケアについても言及し、独居の在宅認知症当事者である佐藤雅彦さんの著書「認知症になった私が伝えたいこと」(大月書店)を取り上げ、佐藤さんが困っている「お金の管理ができない」「言葉がすぐに出てこない」など20余の事例は私たちと同じ悩みで、安心して在宅を選択できると力説する。