へろへろ 雑誌『ヨレヨレ』と「宅老所よりあい」の人々

鹿子裕文著/1500円+税/ナナロク社(03・5749・4976)

 福岡に実在する老人介護施設「よりあい」の人々が、自力で自分たちの居場所である特別養護老人ホームを作り上げてしまった抱腹絶倒と涙でくしゃくしゃになった物語。

 発端は一人の認知症の始まった女性に介護の手が必要になったことから。目の前に困った人がいて助けを必要としている。動き出すには十分だった。必要だから宅老所を作る。同じ理由で「老人ホームに入らないで済むための老人ホーム」を作ろうと考えた。管理するのではなく、「ぼけても普通に暮らしたい」という認知症の高齢者に寄り添う施設だ。スタッフと支援者たちは建設費1億6000万円をあの手この手で稼ぎだし、あるいは寄付や補助金を募り集めてしまう。

 ブレない思いと怒り、そしてつらい時は笑っちゃおうという精神が不可能を可能に変えた。