わたし「認知症」だと言われてしまいました

藤本直規・奥村典子著/1000円+税/ワールドプランニング(03・5206・7431)

 ちょっとショッキングな書名だが、文字通り医師から認知症と診断された当人が感じるであろう不安や怒り、安心、感謝の思いを受け止めて、どうしたらいいかを率直に語る具体例満載の本。

 「黙っていられたほうがもっとショックやから、きちんと話してくれてありがとう」「病気だと聞けて安心した」。本の書き出しで紹介される認知症と言われた人の思いは様々だ。そんな彼らから信頼されるには、ごまかしは効かない。時には「あなたの安全や、場合によっては命を守るために必要ならば、あなたがいやがる対応を取るかもしれません」と著者は正直に告げる。

 一方、忘れても困らないようにメモを同じ場所に置いたり、周囲に自分の気持ちを伝えるなど工夫することの大切さも説く。

 本書は認知症の本人だけでなく家族や介護に携わる人にも一緒に読んでほしい一冊だ。