読んでみた

認知症の人の医療選択と意思決定支援

成本迅編著/2200円+税/クリエイツかもがわ(075・661・5741)

 認知症の高齢者が意思決定を行う場面が増えている。投資や財産管理、選挙、そして車の運転。中でも医療の選択は本人にとって最も切実な問題だろう。

 本書は医療者でも難しい医療選択を、認知症の本人にどう説明すれば理解してもらえるか、周りの人にどう手助けしたらよいかを医療者、介護福祉関係者、法律の実務家、法学者らが参加する「医療同意プロジェクト」がまとめた成果だ。

 サブタイトルに「本人の希望をかなえる『医療同意』を考える」とあるように、認知症の人の意向を最優先しようという心構えが貫かれている。

 巻末には40ページを割いて、すぐ使える「啓発リーフレット」「医療同意能力評価記録用紙」「評価・採点基準」も収められていて、役立ちそうだ。