コラム「母を撮る」

「毎アル2」完成間近!

関口祐加 映画監督

「毎アル2」の音楽採り場面(c)NY GALS FILMS

 ついに、ついに「毎アル」続編の完成が間近になりました! 編集期間は、昨年の8月からで、私の作品の中では最長の6カ月間。それなのに、完成尺は私の作品の中では一番短い50分30秒と言う結果になりました。正式作品名は「毎日がアルツハイマー2〜関口監督、イギリスへ行く編」です!

 1月22日には、待ちに待った音楽とナレーションの録音、そして、翌週の29日には、ダビングを終えました。音楽は、ストーリーに感情移入するのに不可欠だと考えます。何よりも音楽が入ると、グッと自分の方に作品の完成を引き寄せた気分になるものです。しかし、実は、結構難しいのも音楽なんですね。音楽の役目は、映画を引き立てるスパイスで、過剰に入れると音楽が主役のようになってしまい、逆に苛立ちを覚えたりしますからね。

 「毎アル2」の音楽は、前作「毎アル」と同様、芹澤さんが担当しました。前作のモチーフを大切に、少し変節が欲しいことをお願いしました。「毎アル2」は、副題からも分かるように、私もカメラの前に出て「パーソン・センタード・ケア」を学びにイギリスへ旅立ちます。そんな「毎アル2」のストーリー展開を反映させたかったからです。結果は、前回入っていなかったフルートが入り、とてもいい感じに仕上がったと自負しています。

 音楽やナレーション、映画の中の効果音を含む音一般の整理をすることをダビングといい、クレジットには、整音と出てきます。整音の小川さんとは、「毎アル」からの仲です。私の音への好みをしっかりと理解してくれ、とてもスムーズにダビングが終了しました。ドキュメンタリー映画は、映像以上に音が大切であるとオーストラリアの映画学校では教えます。映像は、色々とカバーしやすいですが、音だけは現場でしっかり録(と)れていないと、編集になってから使えない場合が多いからです。そう意味では、監督とは、耳がよくなければいけないのかも知れませんね。

「毎アル2」の正式タイトル決定(c)NY GALS FILMS

 今回の「毎アル2」の医学監修は、順天堂大学大学院の新井平伊教授がしてくださっています。ご多忙の中、引き受けてくださった新井先生には、本当に感謝しています。思えば、新井先生に出会ったのもこの認知症予防財団のシンポジウム(沖縄)でした。また、新井先生は、引き続き、映画の中にも登場して頂いていますよ!

 これから「毎アル2」は、英語版、バリアフリー版と製作。5月には、試写会をし、6月には、まだまだ全国で自主上映が続いている「毎日がアルツハイマー」と一緒に劇場公開となります。どうぞ楽しみにお待ちください。

「毎アル2」の上映に関するお問い合わせは、配給会社シグロまで宜しくお願いします。シグロ:03・5343・3101

2014年3月