コラム「母から学んだ認知症ケア」

明けましておめでとうございます

亡き父と

 新しい年を迎えるにあたり、私は、昨年5月に68歳を迎えたこともあり、新年を健康で迎えられたことに、感謝の気落ちでいっぱいです。

 皆様、明けましておめでとうございます。

 母は、89歳まで生きてくれましたが、父は、72歳で亡くなっています。私は<関口家>の遺伝を色濃く受け継いでいますので、まずは、健康で72歳まで生きるというのが、目標です。

 さらに真の目標は、父が5分後に亡くなるとは思わず、母に言った言葉です。「ああ、いい人生だった。やりたいことはすべてできたよ。(母に)本当にありがとう」。こんな風に最後に感謝した父。背中で生き様を見せてくれた父。スゴイことだと思っています。私もかくありたい。大きなお手本です。

 それにしても、何だかあっという間に過ぎ去った2025年でした。コロナ禍をいまだ引きずり、コロナ前の上映会と講演には、戻っていません。あってもオンラインという現実です。

 でも、嘆いていても仕方ありませんよね。プランAがダメなら、プランBです。26年は、これからのことを考え、何をどうやって実行できるか、計画を練っているところです。まさしく新年にふさわしいのではないでしょうか。

 1.映画の借金の返済。借金は、映画のためとはいえ、心苦しいものです。映画の収入がほぼない中で、どうすればいいのか。何とか原資作りをしなければなりません。そんな時に本当にご縁というのでしょうか。名前を言えば誰でも知っているアメリカ人のビジネスマンと知り合いました。社会活動もされている方で、認知症のことにとても興味を持ち、リサーチしているうちに私の「毎アル」シリーズに出合ったとのことでした。秘書の方より連絡があった時には、信じられませんでした! ご先方は、私のような認知症の捉え方に、またそのようなケアが可能なことにびっくり。アメリカでもパーソン・センタード・ケアなんて夢のまた夢。認知症の人に算数の計算をやらせまくる国ですからねえ。今年は、どんな展開になるのか、とても楽しみです。

 2.すべては、新作映画のための原資作りの進み具合によりますが、目指すは、自ら新作「毎アル・スピンオフ」のファイナンスをすることです。ドキュメンタリー映画は、企業からの援助金、寄付金などで成立することがほとんどです。私自身も経験がありますが、献金を受けた企業に沿った文言に変更しなければならず、唇をかむ思いをしたことがあります。新作の「毎アル・スピンオフ」は、完全なる言論の自由を目指す。アメリカのビジネスマンに言われたことです。新しい挑戦ですが、ぜひ実現したいと思います。

 3.「認知症ケア・アカデミーJAPAN」設立への準備。私の10年来の夢です。オーストラリアより帰国して早16年経(た)ちました。「毎アル」シリーズと共に、認知症ケアについて全国で話をさせて頂いています。新しい介護の世代が、生まれる中、思うことがあります。認知症の問題は、認知症本人にあらず。かと言って、手探りで一生懸命介護をしている家族にもその責任は、ありません。

 ここで思い出すのは、英国で認知症ケアのセミナーに出席した際に、胸に刻んだ言葉です。「認知症ケアには、高度のスキルが必要なので、家族はできなくて当たり前」。しかし、認知症ケアに従事するプロには、できて欲しい。そこで、「認知症ケア・アカデミーJAPAN」の設立です。認知症ケアに従事している方々や、これから従事しようと考えている方々。そんな人たちを対象に、認知症ケアのプロの育成を目指します。

 新作「毎アル・スピンオフ」の完成、「認知症ケア・アカデミーJAPAN」の設立は、今の私の大きな目標です。人生を後悔なく生きた父。そんな父がいたからこそ、父にインスパイアされ、改めて私の新年の抱負としたいと思います。

 最後に年頭にあたりまして、皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

2025年12月