コラム「母から学んだ認知症ケア」

「毎アル」の意義

「毎アル」のポスター

 「毎日がアルツハイマー」公開から丸14年が経(た)ちました。公開当初は、こんなに息の長い作品になるとは考えていなかったと思います。

 「毎アル」は、なぜ今まで観(み)られてきたのでしょうか。特にコロナ前は、目を見張るような状況で上映が続きました。北は北海道から南は沖縄まで飛び回っていたというのが正直なところです。

 コロナ後はオンラインでの上映会や講演会へと移行してきています。

 考えるに「毎アル」は2012年製作でも、新しい介護世代が次々に生まれ、その新しい世代が新しい映画として観てくれているという点が大きいと思います。

 「介護の現実を克明に記録した貴重なドキュメントとして高い価値を持っています。認知症の進行に伴う日常の変化や、生活費・税金・住環境といった現実的な問題への対応など、介護が次々と重要な決断を迫る営みであることが具体的なエピソードを通じて伝わってきます」

 「総じて本作は、高齢化社会を生きる私たちにとって避けて通ることのできない老い、介護、そして死というテーマに真正面から向き合った意欲作です。介護の厳しさだけでなく、その中にある発見や希望、人間らしさを丁寧に描き出しており、多くの方々の共感を呼ぶ力を備えていると思います」

 「本作は、単なる介護記録映画にとどまらず、映画監督としての創作人生と家族とのかけがえのない時間が重なり合い、最後まで強く惹きつける内容となっていると思いました」

 本当にありがたい評価をいただいてきています。映画は、お客様に観ていただいて初めて完成すると言われます。そういう点からもまだまだ上映が続くよう頑張りたいですね。

 直近では10月に岩手県ニ戸市での「毎アル」上映会と講演があります。私も「毎アル」製作者として新しい観客の皆さんに会えることを大変楽しみにしています。