成年後見 制度と現場つなぐ
花俣ふみ代・副代表理事、埼玉県支部代表
国会では5月26日、「社会福祉法等の一部を改正する法律案」として、成年後見制度の見直し(民法改正案)や、「頼れる身寄りのない高齢者」への支援強化、そして介護保険法改正案(5月11日に当会として「緊急要望書」を全国会議員宛てに提出/詳細は当会HPを参照)を含めた「束ね法案」が衆議院本会議で可決されました。
「成年後見制度・民法改正案」に関して、当会では10年余にわたりさまざまな関連会議の場で利用する側の立場から意見を述べてきました。現行制度では本人の意思が十分尊重されないこと、後見人らの権限が大きく、また利用し始めると本人が亡くなるまでやめられない点など、利用時のデメリットや課題が指摘されてきました。そこで改正案は「その人らしい暮らしを支える」ことを重視する、必要な時、必要に応じた利用が可能となる制度へと変わろうとしています。
制度が使いやすく、本人の思いを大切にする方向へと進みつつあることに当会は期待を込め注視しています。併せて民法改正後には、権利擁護のための地域における相談体制や支援ネットワークの強化が欠かせません。認知症の人や家族からは、「財産管理が心配」「どう支援につながればよいのか分からない」といった切実な声が多く聞かれます。制度を必要とする人が早い段階で迷わず相談でき、必要な支援につながる仕組みをつくることが重要であり、制度の周知や相談支援の体制づくりは喫緊の課題です。制度が整っても、必要な人に届かなければ意味がありません。
国が進める「成年後見制度利用促進第3期基本計画」においては、地域での権利擁護支援ネットワークづくりを実際に機能させることが大きな柱になると思われます。民法改正における「本人の意思の尊重」の重視は、認知症の人が「自分らしく生きる」ことを支えるための大きな転換点でもあります。当会として、今後も本人の声を社会に届け、制度と現場をつなぐ役割を果たせるよう努めていきたいと思います。
認知症の人と家族の会 花俣ふみ代・副代表理事、埼玉県支部代表