パネルディスカッション  沖縄シンポ

プログラム
基調講演
「大きく変わる認知症医療〜診断・治療から予防まで」 新井 平伊氏(順天堂大学教授)
特別講演
「認知症の母を撮る〜新作映画『此岸、彼岸』」関口 祐加氏(映画監督)
パネルディスカッション 「認知症にどう対応するか」
回答者 前川 英伸氏(沖縄県福祉保健部高齢者福祉介護課副参事)
古謝 淳 氏(宮里病院長)
名渡山千枝子氏(認知症介護を支えるかけはしの会代表)
助言者 新井 平伊氏
進行役 近藤 憲明氏(認知症予防財団常務理事)
パネルディスカッション

 近藤 質疑応答のコーナーにします。質問は参加申し込み時に受けたものから選ばせていただきました。1番目の質問は、同じことを聞かれイライラし相手をするのが苦痛の時、どう対応したらいいのか。名渡山さん、お願いします。

 名渡山 認知症の人も不安や焦燥感が強い。同じ事を聞かれても受け止める以外ない、否定してはいけない、とよく言われるがそうも言ってられない時もある。家族が対応できないときは、ケアの専門家に任せてみたらどうでしょう。イライラする前に第3者を通じて対応してみたらいかが。

 近藤 認知症の予防方法が知りたい。古謝先生、お答えください。

 古謝 脳血管障害の認知症では糖尿病とか高血圧などの生活習慣病を予防することが大事です。脳が若く元気でいるには、楽しいことに関心を持っていきいきと過ごすことです。それが脳にいい刺激を与えます。ウォーキングなど毎日できることを長続きしてやることです。

 近藤 若年性認知症は治療で治りますか、もう一つ、うつ病と認知症の関係について知りたい、という質問が来ています。

 新井 うつ病は若い時と年を取ってからかかるものがあるが、両方とも2倍ぐらい認知症になる割合が高い。ですから、うつ病をきちっと治療することが大事です。若年性認知症は治るかという質問ですが、認知症にはいろんな病気があるからその原因の病気によって治るかどうかが関連する。アルツハイマー病では、若年性だろうが老年性だろうが、治療については同じです。

 近藤 若年性認知症の相談窓口は沖縄にありますか。前川さんどうですか。

 前川 お住まいの地域包括支援センターでご相談してください。

 近藤 認知症の患者に音楽療法を行っているが、効果はあるのですか。

 古謝 脳への刺激という点で、楽しいことをやるのはとてもいい。今後も是非続けて下さい。

 近藤 認知症の人が暴れ、家族が対応できない時、どうしたらいいのか。

 名渡山 認知症の人のこれまでの思いが何かの拍子に爆発し、思いもかけない事態になることがある。たびたび起こるようだと、専門の医師に相談してください。対症療法の薬もあると聞いています。家族が刺激しないようにする事も必要だが、家族だけで対応できないことはよくあります。

 近藤 傷つけずに自然な形でテストできる方法を教えてください。また、どのように病院に行かせたらいいのか。

 古謝 人間ドックのようにごく普通の検査をしてもらいましょう、と言うと受診しやすいのかな。

 新井 日常生活で料理とか掃除などには段取りがいるので、それを観察するのが一つのテストになる。受診は、息子として娘として心配している、と情に訴え健康診断のように受けてもらう。場合によってはお孫さんから言ってもらうのもいい。

 近藤 新井先生、近い将来、認知症そのものを直す薬は出てくるのでしょうか。

 新井 アルツハイマー病の進行を止める薬はおそらく5年の間で一つ二つ出てくると思う。

 近藤 どうもありがとうございました。

2011年8月