「3・11」の記録 詳細に

認知症予防シンポジウム2011年度報告書「認知症にどう対応するか」

シンポ11年度報告書 一部1000円 発売中

 認知症予防シンポジウムの2011年度報告書「認知症にどう対応するか」がまとまり、3月から発売中だ。今回はサブタイトルに「震災と認知症」を掲げ、3・11の経験を後世に生かすために昨年11月に開催した盛岡会場での全講演、パネルディスカッションの詳細な記録を収めたのが特徴だ。

 報告書はアフラックの協力で93年から毎年2〜3か所開催している地域連続シンポジウムの内容を各年度ごとに編集している。

 7月の沖縄会場では順天堂大学大学院の新井平伊教授が「大きく変わる認知症医療〜診断・治療から予防まで」と題し基調講演。診断精度が向上し相次ぐ新薬の登場で治療面でも改善が見られた現状を分かりやすく紹介する一方、「認知症がなくなれば幸福になることができるのか」と問いかけ、心の持ちようの大切さについても触れた内容が紹介されている。

 また認知症の母親を撮った関口祐加監督の特別講演では、現在編集中で会場でも一部上映された「毎日がアルツハイマー」(「此岸、彼岸」を改題、初夏公開予定)のクリップ映像が講演内容と一緒に掲載されている。

 盛岡会場では震災後すぐに被災地に入った岩手医科大学の高橋智准教授が「東日本大震災と認知症〜その経験を明日に生かすために」と題し基調講演。急がせる、無理強いする、など認知症の人にしてはいけない項目を知っているケアスタッフが、震災では余裕を失って症状の悪化した事例や、日ごろからの共助の大切さを訴える内容が掲載されている。

 復興のまちづくりは仮設の段階から考慮しなければいけないと説く東京大学大学院の小泉秀樹准教授は、画一的な仮設住宅の弊害を指摘し、みんなが集まって酒を飲んだり母親が相談し合う場所が用意され、仮設内に仕事場も併設する"長屋風"のコミュニティーケア型仮設住宅地を提案し遠野市や釜石市などで採用されたことなどが紹介されている。

 1部1000円(税込み)。問い合わせは本財団(電話03・3216・4409)へ。

2012年3月