認知症予防シンポ パネルディスカッション

3人のパネリスト

 パネルディスカッション出席者
 内田 秀俊氏(認知症の人と家族の会福岡県支部代表)
 党   一浩氏(小規模多機能施設めおといわ「ゆい」施設長)
 中島 七海氏(医療法人笠松会天神オアシスクラブ施設長)
 コーディネーター   木下 悟氏(西日本新聞社編集委員)

 木下 認知症の診断を受けたがらないことがあります。どうすれば良いでしょうか。

 内田 地域包括支援センターに家族が行けば、ある程度の道筋は示してくれるでしょう。病院の物忘れ外来でも、本人を連れてくる方法を指導してくれると思います。

 木下 施設入所が必要なのに、ご本人が拒否されて困るというケースもあります。

 党 ケースによって事情が違うので、これがいいという方法は言えませんが、じっくり本人と話すことに尽きます。本人の思いをしっかりくみ取ることが大事です。気を付けなければいけないのは、認知症状を進めることもある環境の激変への十分な配慮です。

 内田 私の妻は要介護5で8年目です。在宅介護しながらデイケア、デイサービスを使っています。施設入所させたら認知症が進むと思うので、きついですが娘と協力してやっています。

 木下 ただ、デイサービスが「幼稚園のようで嫌だ」という人もいるようですね。

 中島 軽度認知症の人はデイサービスに行く気になれないし、家族も行かせようとは思いません。無理をすれば悲惨なことになります。私たちはそういう方たちが集まれる場を作ろうと、2カ月に1度、ワークショップを開いています。日帰り旅行など自分たちで決めています。できることに積極的に取り組んでいくことが予防や進行を遅らせることにつながります。

 木下 会場から「壊れていく母を見て、自分の知識のなさ、家族の無理解に自分の方がどうにかなりそうです」という介護家族の悩みが寄せられています。

 内田 一人だと悩みます。「集い」に行くと同じ悩みを持つ人は必ずいます。先輩がアドバイスをしてくれます。

 木下 介護で地域の協力を得るにはどうすればいいのでしょうか。

 党 私のところは小規模多機能型介護を展開する事業所ですが、サービス漬けにはしたくないです。そもそも本人が長年培ってきた地域での暮らしがあります。行きつけのスーパーや美容室があります。認知症になっても今までの生活を断ち切らないで、地域の人たちとつながるようにしています。地域の人たちと手を携え、本人のことを一緒に考えていくケアを実践しています。

 木下 若年性認知症は深刻です。

 中島 18歳から65歳未満の認知症が若年性認知症です。全国で5万人といいます。介護保険を使えるのは40歳からで、本人が働きたくても働けないため、家計は大変です。障害年金の認定にも長い時間がかかるので深刻な問題が起きています。だんだん崩れていく親を見て、子供の心にも影響が出ます。子が親を虐待するケースもあります。家族が安心して暮らせるようにすることが若年性認知症の大きな課題です。

会場を埋めた610人の聴衆

2013年1月