12年度報告書 好評

認知症と向き合う-映画と漫画と-
購入申し込み 1カ月200件

好評のシンポジウム報告書

 認知症予防シンポジウムの2012年度報告書「認知症と向き合う-映画と漫画と-」が大好評だ。3月1日に発売されると、財団事務所には同報告書を求める電話やはがきが200件近く寄せられている。

 今回は出足が早く、昨年10月27日付毎日新聞朝刊にシンポジウムの特集紙面が掲載されると、「報告書3月発売」の記事を読んだ読者から予約を申し込む電話が相次いだ。

 3月に入ると連日20件近い購入申し込みの電話やはがきが寄せられ、在庫がなくなったため急きょ増刷を決めた。中には「一つは自分用、残りは母や友人に配ります」と数冊まとめて注文する人も。

 シンポジウムの報告書は毎年発行しているが、今回は介護の専門職ではない映画監督や漫画家が創作者らしい独自の視点で自身の親の介護を見つめ報告した特別講演を収録しているのが特徴だ。

 昨年8月の松本会場では、認知症の母親を撮った映画監督の関口祐加さんが特別講演。現在も全国自主上映会を開催中の人気ドキュメンタリー映画「毎日がアルツハイマー」の二つの予告編を随時流しながら、世間体を気にしていた母親が認知症になったことで自由人となり、その魅力的な姿にカメラを向けないではいられなかったこと、監督の目で見れば相手は被写体だったからこそ親の介護にのめり込まなかったこと、母親が孫たちにぼけるということを身をもって見せていることなどを講演した内容が完全再録されている。

 続く昨年9月の福岡会場では、認知症の母親を描いた漫画本「ペコロスの母に会いに行く」を刊行した漫画家の岡野雄一さんが「母に会いに行くという事」と題した特別講演で西日本新聞編集委員の木下悟さんと対談。認知症で日常から少しずつずれていく母親をむしろ「可愛い」と思い8コマ漫画で描いたこと、母親が急性脳梗塞(こうそく)で入院し退院後に在宅介護を諦め施設を選択した葛藤の日々、さらに症状は進んでも「良かさ。生きてさえおれば」という心境になっていく自身の思いを語っている。

 この「ペコロスの母に会いに行く」は同新聞社始まって以来のベストセラーとなる13万部を売り上げた。

 どちらの講演も介護を1人で抱え込みがちな人たちに斬新なヒントを与える内容となっている。また2回の基調講演は認知症治療の現状と望ましいケアの在り方、認知症の予防に有効とされる最新情報などを紹介している。

 1部1000円(税込み)。問い合わせは本財団(電話03・3216・4409)へ。

2013年4月