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認知症110番のデータベース化 補助金交付事業に

ガイドブック発行、シンポ開催も

 認知症予防財団は無料の電話相談「認知症110番」に寄せられた1万9000件を超える相談記録をデータベース化する事業に乗り出すが、このほど同事業に対し公益財団法人JKAより補助金交付の内定を受けた。

 補助事業名は「平成25年度お年寄りが幸せに暮らせる社会を創る活動」で、その目的として「認知症の予防、治療に関わる啓発事業を進め、もって社会福祉の増進に寄与する」を掲げている。

 具体的には(1)認知症の無料電話相談記録票のデジタル化及びデータベース化(2)報告書・ガイドブックの編集発行(3)シンポジウムの開催--の3事業を予定している

 事業費の総額は913万2000円。このうち4分の3の684万7000円が補助の対象になっている。

 電話相談「認知症110番」(毎週月、木曜午前10時〜午後3時)は1992年にアフラックの協力を得てスタートし、この秋には累計で2万件を超えそうだ。現在は相談内容をB4判の紙の記録票に手書きして保管しているが、かなりのスペースを必要とするほか、相談者が過去に相談しているケースでは、相談員が家族関係や相談内容を確認するため以前の記録票を探し出すのに手間取ることがある。

 そこで、記録票をデジタル化しサーバーに保管してデータベースを構築することで、相談員は過去の記録票を見ながら、現在の状況をじっくり聞いて相談に乗ることができる。

 また財団では統計分析法検討委員会をつくり、相談内容の傾向や変化をつかみ出し、適宜報告書にまとめるほか、若者がなじんだネットの「よくある質問」「ベストアンサー」の手法を活用し、中高年向けに「上手な質問・回答法」のコンパクトなガイドブックを作成する。

 最近は若年性認知症に関する問い合わせや、「この薬を飲み続けても大丈夫ですか」といった相談が毎回多数寄せられている。財団では相談業務やガイドブック等の発行を通じて認知症の予防、ケアの最新情報を発信していく。

 財団が今回補助を受けるのは競輪の「RING!RING!プロジェクト」。

2013年6月