特別講演の渡辺一雄さんが語るフィランスロピー

社会貢献 複眼の視点で

渡辺さんの著書「77歳のバケットリスト」

 郡山市で開催される認知症予防シンポジウムに特別講演の講師として参加することが決まった渡辺一雄さんは、さまざまな顔を持ち、大学や企業、社会福祉協議会などの諸団体からも次々に声がかかる売れっ子の講師だ。

 大手電機メーカー米国法人社長時代にフィランスロピー(社会貢献)との運命的な出会いを果たした。その後の地域貢献が高く評価され、ノースカロライナ州ダーラム市から「名誉市民」の称号を授与されている。

 帰国後も活動を続け、退職後は豊富な体験を基に国内のいくつもの大学でフィランスロピー論の講座を持ち、日本における社会貢献活動の普及に努めている。

 その後も東大付属病院にこにこボランティア代表世話人や特別養護老人ホームの施設長にも就任し、企業や社会、家庭、大学という複眼の視点でフィランスロピーを語れる数少ない人材として評価されている。

 2年前に大病を患い、幸い一命を取り留めるという経験が、渡辺さんの活動をさらに深化させたようだ。

 3月に出版した「77歳のバケットリスト〜人生いかによく生きよく死ぬか〜」(はる書房)は彼の人生哲学が込められた力作だ。

 書名に使われている「バケット」は棺おけを意味する。「バケットリスト」は人生の最期を迎えるまでに、やっておきたいことを書き出したリストを指すが、年齢に関係なくいつでも自分の人生を見直し、本当に大切なものを捜すことができれば、「手応えのある生き方」を手に入れることは可能と渡辺さんは考えている。

 プロの落語家から指導を受け、社会人落語家の三遊亭大王の名で高座にも上がる渡辺さんの話は、泣いて笑って、ストンと心に入るかもしれない。

2013年10月