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「毎日がアルツハイマー ザ・ファイナル」 テーマは「看取り」

横浜の自宅でくつろぐ関口祐加監督(右)と母親の宏子さん
(C)NY GALS FILMS 2016

 認知症の母を撮り続けている関口祐加監督の「毎日がアルツハイマー」シリーズの最終章「毎日がアルツハイマー ザ・ファイナル」がようやく姿を見せてきた。すでに特報動画もYouTubeで公開されている(動画はこちらから)。

 それによると、「毎アル3部作」の最後を飾る「ファイナル」のテーマは「看取り」。「ハッピーエンディングな死はあるのか」も探求するという。

 当初はオランダに飛び、認知症の人たちが暮らす施設を見て回り、認知症の人の理想的なケアを探る予定だったのを変えた理由は、当の宏子さんが、2014年から15年にかけ、脳の虚血症発作で4回倒れ、意識不明のまま救急搬送されてからだという。宏子さんには救急搬送の記憶がなく、「自分は死ぬのを忘れている」と笑う。

 「ファイナル」には宏子さんのほか、発がんした関口監督の友人2人が登場する。1人はすでに亡くなり、もう1人は手術を経て闘病中。宏子さんを入れた3人は、言ってみれば「死を忘れた人」「死んでいった人」「死と向き合う人」ということになる。監督自身も「自分はどうやって死んでいきたいのかと真剣に思い、スイスまで答えを探しに行った」と話している。

 作品は現在編集中で、年内完成を目指し、公開は来年の予定。

 うれしいニュースが飛び込んでいる。この特報をネットで見たニューヨークの配給会社から「毎アル3部作」として、まとめて配給したいというオファーが届いた。

 映画の完成・公開に向けた資金調達プロジェクトも始動している。詳細はこの財団報4ページに載っている関口監督の連載「母を撮る」の末尾で紹介している。

2017年3月