京都府に住む梅田四郎さん(84)から、このほど「認知症予防財団の活動の趣旨に賛同して」と多額の寄付が寄せられた。法人からの寄付や賛助金は、これまでも寄せられているが、個人としては異例の高額。財団としては、これまでと同様、認知症の啓発活動として1992年から継続している無料の電話相談「認知症110番」事業に使わせていただく。
梅田さんは財団報「新時代」の読者で、93年に還暦を過ぎてからの初婚同士という間柄である5歳年上のつる代さんと結婚した。同じ学校法人立命館の事務職員だったつる代さんから、若いころに姓ではなく「四郎さん」と名前を呼ばれたことが印象に残っている。
結婚して8年後の2001年につる代さんが認知症を発病。亡くなるまでの12年間介護に尽くした。その際に心がけたのが別表の「俺流の認知症介護10カ条」だ。
13年11月、亡くなった妻が家に戻るとベッドに横たえ、顔にかけてある白い布を取り、「つる代さん、四郎さんと並んで寝るの3年ぶりやなあ。うれしいなあ。今夜はぐっすり休んで。おやすみ」と声をかけた。水入らずの二人だけの通夜。よほど疲れていたのか、朝までぐっすり寝たという。15年5月から有料老人ホームに移り、現在は支障のない生活を送っている。
認知症については「誰もがなる病気であるとの認識が社会的に広がっている。認知症予防財団や認知症の人と家族の会の果たすべき役割が一段と重要になっている」と話している。
2017年3月