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「運転寿命 延ばそう」

SOMPOHD 認知症予防へプログラム開発

 SOMPOホールディングス(HD)は、自動車の運転診断を活用し、認知症の予防や改善につなげるサービスを開発する。高齢者の3人に1人が認知症やその予備軍とされる中、高齢者が元気に運転できる期間を延ばして、生活の質向上に貢献したい考えだ。

 桜田謙悟社長が毎日新聞のインタビューで明らかにした。同社は昨年9月から、国立長寿医療研究センターと共同で、同社が持つ約2000万人の自動車保険加入者の事故データを分析し、認知機能低下との相関関係を調べている。分析結果を活用し、急ブレーキやハンドルさばきから運転者の認知機能を評価するしくみを開発する。

 さらに、グループ子会社が運営する介護事業の利用者8万人のデータを活用し、運動などで認知症の予防・改善を目指すプログラムも開発する。運転診断で認知機能の低下の兆しが認められた人などにプログラムを受けてもらい、認知症の進行を遅らせたり、改善につなげたりすることによって「運転寿命」を延ばすことを狙う。桜田社長は「医療費の抑制にもつながる」と意義を強調した。

 厚生労働省によると、認知症の人は2012年時点で462万人と推計され、25年には約700万人に達すると見込まれる。高齢ドライバーによる事故の増加を受け、政府は17年3月、高齢ドライバーの認知症対策を強化した改正道路交通法を施行。認知症と診断されると免許を停止するなど厳格化した。だが、地方では移動手段として自動車を必要とする高齢者も多い。桜田社長は「サービス提供で他社との違いをアピールできる」と話している。

2018年3月