認知症予防財団とライトハイク協会による「認知症予防セミナー ライトハイク・メソッド」(毎日新聞社後援)が12月8日、毎日新聞東京本社内の毎日ホールであった。約100人の参加者は自由詩づくりに挑戦しつつ、ゲストの師弟関係の落語家、林家たい平さん・咲太朗さん親子の巧妙で楽しい語りに引き込まれていた。
ライトハイクは季語や定型などの決まりがない、最短2行の自由詩。お題の上の句と同じ文字数の言葉で下の句を結ぶのが唯一のルールだ。ライトハイク協会の理事でもあるたい平さんは「同じ上の句でも受け手によって想像することが違ってくる。それがライトハイクの魅力だと思う」と話す。
この日の最初のお題は咲太朗さんによる「今日咲いた綺麗(きれい)な花」。参加者はお題と同じ9文字の返句に頭をひねり、「香りとともに妻思う」「ペッと捨てた種から」といった句を返した。
次はたい平さんが「捨ててよって言ったじゃない」とのお題を出し、「明日から私、前向きに生きる」などの返句が寄せられた。たい平さんは「マイナスイメージの上句にプラスの言葉を持ってくることでポエムになっている。他の人も頑張ろうと感じてくれるのでは」と高評価。この他にも「この頃は聞こえないオレの耳」など笑いを誘う作品が続いた。
たい平さんのお題には事前に人工知能(AI)による回答も仕込んでおき、参加者の作品と並べて「どれがAIによる作品か」というクイズもあった。AI作は「まだ胸が痛いままのこの日々」で、この返句をAI作と見破った人は少数だった。それでも同協会の八塚慎一郎代表理事は「いかにも詩っぽいが、「ぽい」に過ぎない。人間にしか紡げない言葉には届かない」と言う。
最後のライトハイク協会代表からのお題は「溶けすぎるアイス」。「溶けないキミの心」などの下の句が飛び出した。「みたいな君とボク」と返した年配の男性の参加者はたい平さんのインタビューに「今も青春ですから」と照れ笑い。また「追いつかず泣ける」と答えた参加者は「(溶けるアイスのように)いろんなことが追いつかず、めげて泣いている自分の様子です」と答えていた。
このお題はたい平・咲太朗親子も事前に知らされておらず、2人もその場で言葉を結んだ。
溶けすぎるアイス
見上げる蟻の行列
(咲太朗さん作)
溶けすぎるアイス
すくい上げる青春
(たい平さん作)
自身の作品についてたい平さんは「青春は熱く、どんどん溶けていく。それを若さのパワーですくい上げている様子を示したかった」と語った。
ライトハイクに関しては、認知症予防につながる可能性も指摘されている。ライトハイク・メソッドの第2部では、自身のクリニックでライトハイク制作を取り入れている認知症専門医の朝田隆・筑波大名誉教授が「軽度認知障害からのUターン」と題して講演した。
2025年12月