政府は2027年度の実施を予定していた3年に1度の介護報酬改定について、時期を1年早めて26年度に実施する。改定率はプラス2・03%とする。物価高騰が続くなか、賃金水準が低いとされる介護職の賃上げを早期に実現し、他職種との格差を縮小する狙いがある。介護報酬のうち、介護事業者が他に流用できない「処遇改善加算」を拡充する意向だ。
低賃金などが理由となり、介護職の人手不足は際立っている。人材確保の観点から賃金水準は少しずつ底上げされており、処遇改善加算を得ている事業者の施設で働く介護職の平均給与は25年7月時点で前年比2%アップの月34万1340円となっている。ただ、他業種も賃金アップが続き、25年の春闘では正社員平均で5・25%上昇した。介護職が他業種より8万円程度下回る状況は、大きくは変わっていない。
介護分野は「公定価格」の介護報酬によってそれぞれのサービス価格が決まっている。報酬改定は3年に1度で、他産業の賃上げ動向に合わせてスピーディーに対応できない。政府はその点も格差を助長している要因だとして、27年度予定の次期介護報酬改定を1年前倒しすることにした。
また賃上げを更に急ぐため、介護報酬改定とは別に25年度補正予算でも物価高・賃上げ対策として介護事業者向けに補助金を出せるようにした。介護職1人あたりの賃金を少なくとも月1万円アップする事業者を対象に補助し、職場環境改善などに取り組んでいる事業者には9000円を上限に上積みする。予算は半年分用意しており、26年4月からの介護報酬改定にスムーズにつなげる。
前回24年度改定では、介護職の給与を24年度に2・5%、25年度に2・0%底上げすることを目指し、介護報酬を全体で1・59%引き上げたが、26年度分の賃上げ財源には見通しが立っていなかった。
2025年12月