トピックス

26年度臨時介護報酬改定/処遇改善加算「従事者」にも拡大

 今年1月、2026年度臨時介護報酬改定の全体像が決まった。報酬全体では2・03%の引き上げで、そのうち1・95%を職員の処遇改善に充てる。従来の給与引き上げ対象は介護福祉士ら「介護職員」に限定されていたが、今回は「処遇改善加算」の対象をケアマネジャーや訪問看護など「介護従事者」へと広げた上で、今年6月から一律に月1万円賃上げする。また一定の条件に合致する介護職員については、特例として月7000円の上乗せをする。これにより、定期昇給分も勘案した賃上げ率は最大6・3%、月額1万9000円のアップとなる。

 介護報酬改定は原則3年に1度で次回の本改定は27年度となる。しかし一般企業の賃上げが進むなか、3年に1度の見直しではただでさえ低賃金と指摘される介護従事者と他産業従事者の格差が更に広がりかねない。介護業界の人手不足は「限界」とも言われ、これ以上人材流出が進めば介護サービスが成り立たなくなることから、政府は処遇改善加算などの報酬に絞って1年早めて改定することにした。処遇改善以外では、物価上昇に伴い介護施設の食費の自己負担を8月から1日当たり100円引き上げることなどが含まれている。

 月額7000円の賃金上乗せの対象は、「生産性向上・協働化」に取り組む事業者の職場で働く介護職員だ。訪問・通所系の場合は施設サービス計画書、訪問介護計画書などのケアプランデータを紙ベースの資料ではなく、デジタルデータでやりとりするといった事務負担の軽減を図っている事業者、施設・居住系であれば見守りセンサーなどの機器を導入し、24年度改定で新設された「生産性向上推進体制加算」を取得している事業者であることなどが条件だ。ただし、申請時には加算取得要件を守るとの「誓約」のみで算定可能とする特例措置を設けている。

 また処遇改善加算の対象を居宅介護支援、訪問看護、訪問リハビリテーションなどにも新たに広げる。事業者の判断で事務職や運転手、調理員らにも支給できる。

 ただ、今年の春闘でも大手企業を中心に5%超の賃上げに踏み込む流れとなっている。介護従事者は現行の賃金が低いため、最大1万9000円の賃上げでは他産業との格差がさらに広がる可能性も指摘されている。

 一方、食材などの物価上昇に合わせ、介護報酬アップ分のうち0・09%を施設入居者の食費に充当する。食費が増える分、入居者の自己負担も増え、一般の所得の人は8月以降、今の日額(1445円)より100円増の1545円となる。

 「補足給付」によって軽減されている低所得の人の食費も一部負担増となる。老齢福祉年金受給者で世帯全員が住民税非課税かつ夫婦の預貯金額2000万円以下の人、生活保護を受けている人(現行上限日額300円)らは据え置くものの、世帯全員が住民税非課税で年金収入と他の所得を合わせて80・9万円超〜120万円以下(同650円)かつ夫婦の預貯金額1550万円以下の人(同650円)は30円増の680円、世帯全員が住民税非課税で年金収入と他の所得を合わせて120万円超かつ夫婦の預貯金額1500万円以下の人(同1360円)は60円増の1420円にそれぞれアップする。