シンシア基金とは

引退式会場で木村佳友さんに寄り添う在りし日のシンシア
=2005年12月11日、宝塚ホテルで
補助犬(介助犬、盲導犬、聴導犬)が同伴することを認めた身体障害者補助犬法が2002年5月22日に国会で成立しました。
兵庫県宝塚市に住むコンピュータープログラマー、木村佳友さんと介助犬シンシアが運動の輪を広げたことが、法制化の大きなきっかけとなりました。毎日新聞が長期連載「介助犬シンシア」や介助犬シンポジウム開催などで全面支援。地元宝塚市は「シンシアのまち」を宣言。ダイエーグループが介助犬受け入れを始めるなどの動きの中、国会議員が超党派で議員立法を進めました。
介助犬や聴導犬はこれまで、法的にはペットと同じでした。歴史の古い盲導犬だけは道路交通法による規定があったものの、同伴については法律に書かれていないため、旅館やホテルで泊まる際に断られることがありました。
毎日新聞社と毎日新聞大阪社会事業団は、補助犬への理解を深めるための募金「シンシア基金」を1998年9月につくり、寄せられた浄財は介助犬の育成や研究活動に役立てています。
大役果たし、シンシア逝く
2005年12月、大役を果たしたシンシアが引退しました。19日が12歳の誕生日。人間でいうと70歳前後といいます。連載開始から7年余。介助犬の役割はエルモにバトンタッチし、シンシアは木村さんの「家族」として暮らすことになりました。
そのシンシアに感謝する「引退式」が12月11日、兵庫県宝塚市内の宝塚ホテルで催されました。
シンシアは2006年3月14日、木村さん宅で静かに息をひきとりました。
シンシア基金に浄財をお寄せいただき、やさしさの輪を広げていただいた皆様に感謝申し上げます。また、介助犬を応援する「シンシア基金」は引き続き継続いたします。