主な事業/国際協力に関する事業(海外難民救援事業【旧「世界子ども救援事業」】)

2010年ケニア・エチオピア エチオピアから (5)

30キロ背に7キロの道 収入60円

雨が降る中、ユーカリの枝を背負い山道を歩くアダネッチちゃん。表情には疲れがにじんだ=エチオピア・アディスアベバのエントト山で、小松雄介撮影

雨が降る中、ユーカリの枝を背負い山道を歩くアダネッチちゃん。表情には疲れが
にじんだ=エチオピア・アディスアベバのエントト山で、小松雄介撮影

 エチオピアの首都アディスアベバ中心部から北に約10キロのエントト山(標高約3000メートル)。夕方、女性たちが拾い集めたユーカリの枝を背負い、家路を急ぐ。幅約1.5メートルに束ねた枝葉の重さは約30キロ。雨でぬれた急こう配の坂道に足元が滑る。

 次々と山を下りる女性たちに交じって、薄緑色のパーカを着たアダネッチちゃん(12)の姿があった。小学校が休みの週末、母アラミスさん(50)と一緒に 朝8時にふもとの家を出た。山頂を越えた森まで約7キロ。森の中で、枯れ落ちた枝を集めて、午後5時、山を下りてきた。突然の雨が汚れた服をぬらす。「今 日は落ちている枝が少なくて、思ったほどの量にはならなかった」。表情には疲れの色がにじむ。

 エントト山には枝葉の成長が速いユーカリが次々と植林される。収入に恵まれない家庭では、ユーカリの枝葉が重要な燃料源の薪になる。薪の採取は女性の仕事だが、重さ約30キロの枝を市場で売っても約10ブル(日本円で約60円)にしかならないという。【遠藤孝康】

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