主な事業/国際協力に関する事業(海外難民救援事業【旧「世界子ども救援事業」】)

2022年ウクライナ侵攻  難民救援キャンペーン【写真特集】

見通せぬ未来 戦火逃れ

ポーランドへ避難した状況を振り返り、涙する
エリザベス・ドラグシニエッツさん
=ポーランド南東部の国境の町メディカで2022年3月13日

 ロシア軍による攻撃から逃れるため、ウクライナから周辺国に避難する人々が増加の一途をたどっている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、2022年3月18日時点でその数は約327万人。半数以上をポーランドが占め、他にルーマニアやモルドバ、ハンガリーなどに多くの人々が逃れている。そこから親族や知人、支援団体を通じてドイツ、フランスなど別の国に渡るケースも多い。

 周辺国は必死に難民を受け入れている。ポーランドでは入国直後からボランティア団体などが食事や衣服、日用品、子供用品を無償で提供。携帯電話のSIMカードも配布し、母国とスムーズに連絡が取れるように配慮している。ポーランド南東部メディカの国境検問所前で衣料品を配布していたボランティア、トマシ・ビエルズビッチさん(22)は、「ポーランドだっていつ戦争に巻き込まれるか分かりません。明日は自分が助けられる側になるかもという思いで支援しています」と話した。

 メディカでは2022年3月13日朝、国境検問所を歩いて越えてきたオレナ・ジンチェンコさん(30)の長女ヤロスラバちゃん(4)がこうしたボランティアの人々からぬいぐるみを受け取り、笑顔を見せた。「おもちゃも教科書も学用品も何も持ってこられなかった」と母のオレナさんは振り返る。長男イエゴールさん(8)と母子3人で戦火を逃れてきたが、オレナさんの夫は今もウクライナに残っているという。

 今回は「欧州における今世紀最大の難民危機」とも言われる。長期化すれば住宅や雇用、教育など受け入れる側にとっても影響は大きい。欧州各国も難しいかじ取りを迫られる中、難民の未来は見通せない。【メディカ(ポーランド南東部)で平野光芳、写真・小出洋平】

 

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