記者

校閲記者

谷井 美月

編集編成局
情報編成総センター
校閲グループ

2016年入社

2016年入社、校閲グループに配属

丁寧に拾う、言葉と事実

 私は校閲の仕事を、紙面の誤字脱字を直したり、書かれていることが正しいかどうか調べて確かめたりすること、と説明します。直せるぶんだけ直せればそれでよい、以前はそう考えていました。入社してすぐ、ダミーの刷りを読んで誤りを指摘するという研修がありました。20以上の間違いのうち、だいたい半分見つけられた!と喜ぶ私に、「一つでも見逃せば校閲としては0点」というデスクの言葉が刺さりました。認識の甘さを恥ずかしく思った当時の気持ちは今でも覚えています。

 普段、私たちが見る紙面では「この中に間違いが三つあるので直してください」ということはありません。スポーツ面の原稿で、「高さとうまさを兼ねそろえた選手が、期待を一心に背負って試合に臨む」という一文があり、「兼ねそろえた」を「兼ねそなえた」に直して安心していたら「一心」を「一身」に直しそびれたことがありました。こうした表記上の直しに加えて、記事中に事実と異なる内容がないかを調べなければなりません。締め切りまでの時間を気にしつつ、疑義が見つかった場合にはそれも指摘します。

 社会面では締め切り間際に入ってきた事件の原稿に「現場は市街地で最寄りの駅から5km」とあり、駅まで随分遠いな、と思って急いで地図で調べてみたところ、実際は500mだったこともありました。「一つの誤りも出さない」ためには、小さな疑問や違和感もないがしろにしてはいけないと痛感しました。

 「最初の読者」であり、「最後の編集者」でもある校閲記者は、言葉と事実を丁寧に拾っていくことでよりよい紙面を作ることができる、そうしたやりがいのある仕事だと思っています。

 校閲グループは「毎日ことば」というブログを通して、校閲記者ならではの発見や思うところなどをお届けしています。

 毎日ことば

One day

16:00
出社 担当する面は日替わり。この日は土曜日で、朝刊の国際面を担当する

記事ごとに出されるA4判の紙で最初の直しを入れる
ニュース記事や国際問題をテーマとしたコラムなどを読む

海外メディアの記事や、団体が運営しているウェブサイト、データブックなどを参考にしながら、記事中の情報に誤りがないか確認する

この日は記事が多く出稿されていたため自席で食事をとった
21:30
実際の紙面と同様に印刷された刷りを見て、見出しに誤字がないか、記事の内容と合っているかなどを見る
また、スペースの関係で削られた部分があれば、正しく接続しているかなども読んで確認する
23:00
次の締め切りまでの間に出される差し替えの記事を読む
明日以降に国際面で掲載される予定の記事が出されれば読んでおく
未明
帰宅(国際面の担当者は土曜日以外は宿泊し、翌日夕刊の国際面も担当)

Q&A

学生時代に打ち込んだことは?
大学での専攻は江戸時代の文学でした。並行して履修していた司書課程で、資料を探す方法が身につきました。出版物に対する関心が大きくなったのもこの時だと思います。
仕事をする上で大事にしていること・ものは?
とにかく確認作業を怠らないことです。大量の原稿を前にしてめげそうになる自分をどうにか律して日々時間と闘っています。
入社して意外だったことは?
日本語の表現についての直しが主な仕事だと思っていたので、表記を統一するための直しや事実確認のために割く時間が多いのは意外でした。
現在の仕事内容や取り組む姿勢を一言で表現すると?
読んで、調べて、また読んで。