点字毎日文化賞

1964年、前年に「点字毎日」が長年の点字新聞・書籍の出版などに対して「菊池寛賞」を受賞したことを機に、創設されました。視覚障害者の文化、教育、福祉の向上に貢献した個人や団体を表彰しています。選考候補者(個人または団体)は自薦、他薦を問わず公募しており、選考委員会の本審査で受賞者(1人または1団体)を決定します。

第61回点字毎日文化賞(2024年・令和6年)受賞者決定

 

 視覚障害者の福祉、文化などの分野で貢献した個人や団体を表彰する「第61回点字毎日文化賞」は静岡県立大名誉教授の石川准さん(静岡市)に決まりました。石川さんには賞状と記念盾、副賞の中村京太郎賞(置き時計)、 日本盲人福祉委員会奨励賞(30万円)をお贈りします。

第61回点字毎日文化賞 石川准さん
ひと 石川准さん 第61回点字毎日文化賞を受賞

第61回点字毎日文化賞の受賞が決まった石川准さん
第61回点字毎日文化賞の受賞が決まった石川准氏

第61回点字毎日文化賞(2024年・令和6年)選考候補者の公募について

1. 賞の目的
視覚障害者の福祉、文化などの分野で貢献した個人や団体を表彰し、社会の理解を深めます。
2. 賞の対象
(イ)~(ト)の分野で先駆的な業績をあげた個人・団体。
視覚障害者だけでなく、晴眼者も対象です。

(イ)視覚障害者指導(ロ)学術・教育(ハ)点字出版(ニ)点字普及・研究(ホ)音楽・文芸(ヘ)新職業開拓(ト)その他
3. 主催
毎日新聞社点字毎日
4. 後援
毎日新聞東京・大阪・西部社会事業団/日本盲人福祉委員会
5. 推薦・応募方法
自薦、他薦を問いません。応募用紙に推薦者の経歴や業績の詳細を記入し、参考となる資料を添付してご応募ください。応募用紙は以下からダウンロードしていただくか、点字毎日に電話もしくはメールで請求してください。
6. 応募書類提出先
応募は、毎日新聞社 点字毎日「点字毎日文化賞」事務局まで、郵送またはメールに応募書類を添えてお送りください。

郵送:〒530-8251 大阪市北区梅田3-4-5 
   毎日新聞社 点字毎日「点字毎日文化賞事務局」
メール:
7. 応募締め切り
第61回点字毎日の応募締め切りは2024年8月2日(金)必着です。
※応募は締め切りました。
8. 賞
受賞者には本賞(本人肖像盾)/副賞の中村京太郎賞(置き時計)/日盲委奨励賞(30万円)を贈ります。受賞者は10月以降の毎日新聞と点字毎日紙上で発表します。
9. 問い合わせ
〒530-8251 大阪市北区梅田3-4-5
毎日新聞社 点字毎日「点字毎日文化賞事務局」
TEL:06-6346ー8388 FAX:06-6346-8385

点字毎日文化賞/過去の受賞者(敬称略)と受賞理由

受賞者受賞理由
第1回1964年(昭和39年)好本督(よしもと・ただす)「点字毎日」発行に尽力
第2回1965年(昭和40年)志村太喜弥(しむら・たきや)日本初の盲ろう教育に貢献
第3回1966年(昭和41年)鈴木力二(すずき・りきじ)盲教育史資料の編さんに尽力、盲教育への貢献
第4回1967年(昭和42年)本間一夫(ほんま・かずお)全国を対象とした本格的点字図書館を創設
第5回1968年(昭和43年)和波孝禧(わなみ・たかよし)プロのバイオリニストとしての活躍躍
第6回1969年(昭和44年)岩橋英行(いわはし・ひでゆき)日本ライトハウス理事長、国際交流を通じた盲人福祉への貢献
第7回1970年(昭和45年)肥後基一(ひご・きいち)点字出版所を創設し点字出版文化に貢献
第8回1971年(昭和46年)中道益平(なかみち・ますへい)重度身障者向け収容授産施設建設の功績
第9回1972年(昭和47年)松井新二郎(まつい・しんじろう)カナタイプによる盲人の新職業開拓に尽力
第10回1973年(昭和48年)木村龍平(きむら・りょうへい)点字による随筆、論文などの活発な文筆活動
第11回1974年(昭和49年)加藤康昭(かとう・やすあき)盲人の社会史・教育史などの研究実績を通じ、福祉・教育の未来に貢献
第12回1975年(昭和50年)高橋竹山(たかはし・ちくざん)津軽三味線を通して、邦楽界に独自の境地を開拓
第13回1976年(昭和51年)加瀬三郎(かせ・さぶろう)創作折紙に触覚による独自の技法を開発、視力障害者に普及
第14回1977年(昭和52年)芹沢勝助(せりざわ・かつすけ)東洋医学系物理療法の科学化への研究と視覚障害者教育への貢献
第15回1978年(昭和53年)中塩幸祐(なかしお・こうゆう)作曲、演奏活動の傍ら、口伝の古典筝曲、地唄の保存に尽力
第16回1979年(昭和54年)鈴木栄助(すずき・えいすけ)視覚障害者教育の分野でのすぐれた実践、出版による啓蒙活動
第17回1980年(昭和55年)山本卯吉(やまもと・うきち)金属加工の分野で視覚障害者の新職業開拓、障害者の自立に貢献
第18回1981年(昭和56年)山川園松(やまかわ・えんしょう)作曲、演奏活動を通しての筝曲の普及啓蒙
第19回1982年(昭和57年)塩屋賢一(しおや・けんいち)日本で初めて盲導犬を育成し普及に尽力
第20回1983年(昭和58年)該当者なし
第21回1984年(昭和59年)本間昭雄(ほんま・あきお)盲老人ホームの運営と開設普及運動に尽力
第22回1985年(昭和60年)前澤絢子(まえさわ・あやこ)盲婦人運動の指導を通し、地位向上に尽力
第23回1986年(昭和61年)川上泰一(かわかみ・たいいち)、
長谷川貞夫(はせがわ・さだお)
点字の漢字考案と情報処理システムの開発
第24回1987年(昭和62年)竹下義樹(たけした・よしき)初の全盲弁護士という職域開拓と精力的な活動に対して
第25回1988年(昭和63年)仲村茂男(なかむら・しげお)点字器製作を通し盲人文化、教育を側面から援助した功績
第26回1989年(平成元年)NHKラジオ・盲人の時間障害者に生きる勇気を与えると共に一般社会への啓発に貢献
第27回1990年(平成2年)村越化石(むらこし・かせき)ハンセン病で失明という境遇を超えた俳壇での活躍
第28回1991年(平成3年)斎藤正夫(さいとう・まさお)パソコンデータの音声化ソフトの開発と普及
第29回1992年(平成4年)佐藤浩(さとう・ひろし)児童詩を通した青少年への情操教育
第30回1993年(平成5年)富山清琴(とみやま・せいきん)地唄、筝曲の伝承への尽力と作曲活動を含む高い音楽性に対して
第31回1994年(平成6年)平井正(ひらい・ただし)長年にわたり点字楽譜の出版を続けてきた功績
第32回1995年(平成7年)田中亮治(たなか・りょうじ)文化芸術活動を通した盲重複障害者の社会参加支援
第33回1996年(平成8年)福島智(ふくしま・さとし)盲ろう者福祉への幅広い貢献
第34回1997年(平成9年)高野喜長(たかの・きちょう)箏曲演奏家・作曲家として伝統音楽に新境地を開いた功績
第35回1998年(平成10年)田辺建雄(たなべ・たつお)後進育成や国際交流など先駆的な地域福祉の実践
第36回1999年(平成11年)梯剛之(かけはし・たけし)ピアニストとしての国内外での活躍
第37回2000年(平成12年)金治憲(キム・チーフン)開発途上国の視覚障害者への留学支援活動
第38回2001年(平成13年)桜井政太郎(さくらい・まさたろう)視覚障害者のために、直接触れる私設博物館を開設
第39回2002年(平成14年)青木陽子(あおき・ようこ)中国に視覚障害者日本語学校を設立、国際交流に尽力
第40回2003年(平成15年)大島健甫(おおしま・けんすけ)教科書など著作を通して視覚障害者への理解を促進
第41回2004年(平成16年)橋本宗明(はしもと・むねあき)長年、多方面で視覚障害者の権利回復と社会参加運動を推進
第42回2005年(平成17年)愼英弘(シン・ヨンホン)長年の社会福祉の研究成果を実践面で生かした
第43回2006年(平成18年)小林一弘(こばやし・かずひろ)長年、学校現場で視覚障害児・者教育に貢献
第44回2007年(平成19年)富田清邦(とみた・せいほう)地唄・箏曲の継承活動、後進育成
第45回2008年(平成20年)藤芳衛(ふじよし・まもる)障害のある受験者に対する試験方法の改善・研究と実践
第46回2009年(平成21年)三宮麻由子(さんのみや・まゆこ)職業人としての傍ら、優れた文筆活動を通じて視覚障害者理解に寄与
第47回2010年(平成22年)杉山検校遺徳顕彰会日本の鍼灸発展と教育に尽くした杉山和一検校の功績を長年顕彰
第48回2011年(平成23年)斯波千秋(しば・ちあき)地域の視覚障害者の福祉向上に長年努め、途上国の障害者支援にも尽力
第49回2012年(平成24年)塩谷治(しおのや・おさむ)盲ろう者の社会参加への支援制度や組織づくりに尽力
第50回2013年(平成25年)辻井伸行(つじい・のぶゆき)ピアニスト、作曲家として国内外で活躍
第51回2014年(平成26年)川野楠己(かわの・くすみ)ラジオ番組プロデューサーとして瞽女や琵琶盲僧の文化を後世に伝える活動
第52回2015年(平成27年)田中徹二(たなか・てつじ)電子図書館と情報ネットワーク整備に尽力、国際協力・海外支援にも貢献
第53回2016年(平成28年)木塚泰弘(きづか・やすひろ)点字教育や白杖による単独歩行の指導など、盲学校教育の基礎固めに尽力
第54回2017年(平成29年)河村宏(かわむら・ひろし)デジタル録音図書の国際標準規格「デイジー」の開発・普及に貢献
第55回2018年(平成30年)笹川吉彦(ささがわ・よしひこ)日本盲人会連合の副会長・会長として、視覚障害者運動を長く率いた功績
第56回2019年(令和元年)視覚障害をもつ医療従事者の会(ゆいまーる)交流組織としての功績とさらなる活動への期待
第57回2020年(令和2年)高橋実(たかはし・みのる)後進の職域拡大や学習環境の充実などに貢献、元点字毎日記者
第58回2021年(令和3年)藤野高明(ふじの・たかあき)視力と両手を失いながら進学や就職で人生を切り開き、当事者運動を牽引
第59回2022年(令和4年)高知システム開発日本初「点字入力・音声出力ワープロ」を開発し、盲教育発展などに貢献
第60回2023年(令和5年)指田忠司(さしだ・ちゅうじ)視覚障害者の就労を支え、日本と海外の懸け橋として友好関係促進に尽力
第61回2024年(令和6年)石川准(いしかわ・じゅん)内閣府・国連で差別解消に尽力、ソフト開発等で支援システム発展に貢献