#地球塾2050

未来を拓くイノベーション探究BOOK ~ナスコンバレーに学ぶ~

 「未来を拓くイノベーション探究BOOK~ナスコンバレーに学ぶ~」は、栃木県那須地域を拠点に先端研究や事業を展開しているナスコンバレー協議会の参画企業の活動を紹介しています。各企業の代表や開発担当者から皆さんへのメッセージを紹介します。共通するのは「チャレンジする」ことです。一歩を踏み出す勇気が持てる力強いメッセージです。

WOTA
代表取締役CEO 前田瑶介氏

WOTA 代表取締役CEO前田瑶介氏

何を持っているかではなく、何をやりたいか

 「水問題を根本的に解決すること」、これが私の人生の目的です。日本のお家芸である、水処理と製造業のコラボレーションで、世界の水問題を解決し、世界に貢献したいと行動しています。私の原動力は、「人生の時間を世の為人の為に使いたい」、「世界一か世界初を目指す」、「世界中の人と言葉を越えて繋がりたい」、これらの思いで取り組んでいます。みなさんも何を持っているかという視点からではなく、何をやりたいかという視点から、人生の目的を見つけられることを願っています。

LIFULL ArchiTech
代表取締役社長 北川啓介氏 (インスタントハウス開発者、名古屋工業大学大学院工学研究科教授)
代表取締役COO 幸田泰尚氏

北川啓介教授
インスタントハウス開発 北川啓介教授

Q1. 開発のきっかけと志を教えてください。

 2011年に東日本大震災の被災地・宮城県石巻市の避難所の体育館を訪れると、氷点下の寒さに震える被災者たちが身を寄せ合っていました。家を失った小学生の男の子から「仮設住宅が建つまで、半年から1年かかるんだってよ。こんなに寒い避難所での集団生活をそんなに長くって、あんまり考えられないよ。もっと早く建てられないかな」と言われました。建築の専門家なのに、自分にはそれができないことに衝撃を受け、悔しくて涙がこぼれました。研究テーマを「意匠デザイン」から「簡易住宅の開発」に転向し、9年間研究開発を続け、インスタントハウスを完成させました。この経験と想いが開発のきっかけであり、今でも大きな原動力になっています。

Q2. どんな未来の社会のあり方を希望しますか?

 世界中の住宅困窮者が一日でも早く満足した快適な家に住まえるようにしたいです。

幸田さん
代表取締役COO 幸田泰尚氏

 イスラム圏の人々がインスタントハウスを良い印象で受け入れてくれています。イスラム教の礼拝所「モスク」の屋根と似ているからです。 建築は機能性の高さだけが重要なわけではなく、精神性も重要です。特に被災して傷ついている人々にとっては心の癒やしにもなります。かわいい、かっこいい、きれい、美しいといった形は、人の精神に寄与すると思います。

 北川教授が世界中を旅して、建物、民族、宗教、文化などを見てきた経験が魂となり、インスタントハウスという製品ににじみ出ています。

 皆さんには、自分たちの持っているものの価値に気づくために、外に出て視野を広げてほしいです。

serendix
CEO 小間裕康氏

選択の自由を手に入れたら、チャレンジしよう!

セレンディクス CEO 小間裕康氏

Q1. 開発のきっかけは?

 先端の技術で人類を豊かにすることをビジョンに掲げています。テクノロジーが人の生活を豊かにする場面を私は見てきました。新しい技術を使って快適なものを、豊かなものをつくる。3Dプリンターの住宅開発が、人類を豊かにするための解決策になると思い、起業しました。

Q2. 15歳の頃、どんなことを考えていましたか?

 中学生の頃は、多分何も考えていなかったです(笑)。親や祖父がいろんな所に連れて行ってくれて、いろんな楽しさを経験させてくれました。その経験によって「豊かさ」とは何かを体感することができたし、すごく幸せな時期だったと思います。

 1995年3月、私が高校2年の時に阪神大震災を経験しました。神戸に住んでいたので、大変な被害に遭いました。町が崩壊したり、昨日まで話をしていた友達が亡くなったりもしました。非日常の世界の中で、「何のために生まれたのか」を考えるきっかけになりました。

 家は一番ほっとする場所なので、安全性をすごく大事に考えています。わくわくするだけじゃなくて、安全性という基本的なものを大事にする。責任あるものを作る。震災の経験はベースになっていると思います。

 15歳くらいの頃は、感受性を豊かにするとか、何が幸せなのかとか、こんなことをしたら楽しいとか、本当にしっかりと吸収する時期なのかなと思います。その時期が無かったら、生まれてきた意味は何なのかを考える時に、考える幅が狭まるように思います。楽しさを精一杯経験することが、中学生までにやるべきことじゃないかと私は思います。

Q3. どんな未来の社会のあり方を希望する?

 チャレンジできる世界っていうのが一番いいと思います。今、日本でチャレンジ精神というのが課題になっている気がしています。一方で、要らないものに時間を掛けすぎているところがある。所得に対して家の購入費用が高いというのも一つの課題です。そんな「足かせ」を我々が取り去って、新しい世代がチャレンジできる、どんな夢でも語れるような世界を作りたいと思っています。

 安く、早く家が建てられたら、残ったお金と時間でチャレンジすることができます。

 昔に比べて、物は安く手に入る。チャレンジする環境は整っている中でスタートが切れるのです。皆さんの世代は、恐ろしいぐらい可能性が広がっていると思います。ちゃんと頑張れば成功できる。私たちはそのための機会をつくっていくのが義務だと思っています。

 私は多分、失敗したことがないです。なぜならば、失敗だと思わずに続けているからです。失敗だと思ってやめてしまえば、そこで終わりです。最後まで続けた人が成功するのです。

①serendix50(フジツボモデル)出力動画
https://photos.app.goo.gl/4GG8v98DpthyMSnx8

②serendix50施工動画
https://photos.app.goo.gl/7w7SFGVLGqoH7Qzr5

日本テーマパーク開発
取締役COO 五十嵐弘樹氏

日本テーマパーク開発 取締役COO 五十嵐弘樹氏

 那須ハイランドパークを運営する藤和那須リゾートやグループ会社のりんどう湖ファミリー牧場を運営する那須興業では、「ビジネスで社会問題を解決する」ことをミッションにさまざまな取り組みを進めております。

 近年は「デジタル」「AI」に関連する言葉を耳にしない日はありません。

 これらは人々の生活を確実に豊かにしており、そして人々の生活に不可欠なものです。

 一方で、日々私たちが暮らす社会が直面する問題には、これらのツールだけでは解決できない問題も多数あります。

 私たちは問題の本質を見極め、一過性ではなく持続可能な取り組みをビジネスで実行することを大切にしております。

 そうすることが、これからの「21世紀型社会」に必要だと考え、歩みを進めております。

 常に挑戦し、プロセスや結果の検証を行い、そしてさらに改善する……この繰り返しが最良の結果を導くものと考えております。

SyncMOF
代表取締役社長兼CEO 畠岡潤一氏
副社長兼CTO 堀彰宏氏

畠岡潤一氏
畠岡潤一氏
堀彰宏氏
堀彰宏氏

 畠岡さんと堀さんは約20年にわたってMOFを研究し、2019年に「ガスの重要性が認識され、ガスの時代が到来した」と考え、SyncMOFを起業しました。

中学・高校生へのメッセージ

畠岡さん モノづくりは日本が強いはずですが、工学系の志望者は減っています。泥臭いように見えるけれど、ビジネスとして有望です。先入観にとらわれずに自分なりのイノベーションを考えてほしいです。

堀さん 世界の人たちはSDGs(持続可能な開発目標)に取り組んでいますが、そのメッセージは『さまざまな課題を自分事として考えよう』ということです。さまざまな問題が自分に関係ないと思わずに、人とつながっていきましょう。
 新しいものを作るのは日常に満足しない心だと思います。人類が火を手にしたとき、ほとんどの人類は逃げたと思います。一部の人類が火を恐れない勇気を持っていた。チャレンジ精神を持ち、『勇気ある知識人』になってほしいです。

BOLDLY
代表取締役社長兼CEO 佐治友基氏

BOLDLY 代表取締役社長兼CEO 佐治友基氏

 生まれた時からインターネットが身近にある世代です。国の壁がなく、海外の人とも気軽に交流できる、情報が民主化された社会です。インターネットを使いこなして世界平和を実現できる世代だと期待しています。自分の価値観や個性を大切にしながら、正しくインターネットを使ってほしいです。

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